研究概要

ウルトラフレキシブル有機光デバイス
シート型イメージセンサ
高分子を用いた温度センサ
高分子上に成膜可能な分子配向膜

横田研究室は2016年4月に発足した新しい研究室です。
研究室では、有機エレクトロニクスをはじめとした、フレキシブル・ストレッチャブルデバイスの基礎・応用研究を行っています。有機エレクトロニクスは、インクジェットやスクリーン印刷などの印刷技術を用いてフィルム基板上に容易に作成することができます。そのため、薄くて軽い、曲げることのできる次世代のエレクトロニクスとして注目を集めております。

我々の研究室では、その中でも特に、光や温度・圧力といった物理量を検知することが可能な柔らかいセンサ開発を行っております。これまでに、皮膚に貼り付けることができる有機光センサや、体温付近で急激に抵抗の変化する温度センサを実現してきました。
研究室は発足したばかりですが、染谷隆夫教授と共同で研究室運営を行っており、クリーンルーム内で印刷装置をはじめとした最新の設備を用いて、新しいデバイス開発やセンサ開発などの研究活動を進めております。また、異分野の研究者や産業界とも積極的に共同研究を行っております。

1.新奇フレキシブル・ストレッチャブルセンサの開発

本研究室では、新材料を新しい原理を用いた新奇フレキシブル・ストレッチャブルセンサの開発を行っております。これまでに、高分子材料に導電性材料を分散させることで、フレキシブルな温度センサの開発に成功しています。このように新しいセンサを実現するための新機能材料の開発を行うとともに、物性評価を行うことで動作原理の解明も行います。さらに、開発したセンサを用いた応用探索も目指していきます。

説明画像
Journal of Materials Chemistry C, 8, 7304-7308 (2020).
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 112, 14533-14538 (2015).

2.フレキシブルイメージャーの開発

イメージング素子は、非侵襲で体内の情報を検出することができるために、医療分野において発展をしてきました。本研究室では、フレキシブルな基板上に有機光デバイスを作製することで、軽量・薄型のイメージャーの開発を行っています。軽量・薄型化を実現することができれば、ウェアラブルデバイスに集積化したり、皮膚に貼り付けて生体イメージングを行ったりすることができるようになります。実用化に向けて、既に複数の企業との共同研究が始まっております。

説明画像
Nature Electronics, 3, 113-121 (2020).
Advanced Electronic Materials, 4, 1700601 (2018).

3.フレキシブルデバイスを用いた生体センシング

世界的な社会問題である高齢化社会を支えていく技術の一つとして、身に着けるだけで健康状態をモニタリングができるウェアラブルデバイスが注目を集めています。本研究室では、柔らかいフレキシブルデバイスを用いたスキンセンサやテキスタイル型センサの開発を行っています。また、開発したデバイスを用いて、生体信号や生体内情報を長期的にモニタリングするためのシステムの実現を目指します。

説明画像
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 117, 7063-7070 (2020).
ACS Nano, 13, 7905-7912 (2019).
Science Advances, 2, No.4, e1501856 (2016).